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WORKSHOP

馬と暮らす、馬と働く

農園と森オシアンクルでは、

馬耕や馬搬について学びたいという方へ研修の受け入れをしています。


ここで学べることは、

「馬と働く暮らし」を中心に据えた「循環する暮らし」。
田畑と森の2つのフィールドを馬と共に創り、
持ち出さず持ち込まず、循環させ
豊かな土壌を深めていく試行錯誤の現場です。
必要な経験は特にありません。

Horsemade Cabinに滞在しながら、
より深く集中してこの循環する世界を
体感して下さい。


 

Horse farming is good.

​鈴木ビック写真展「Horse Farming is Good.」(2025年8月開催)に寄せて

農園と森オシアンクルで私は2頭の農耕馬(花雪と愛星)と一緒に田畑を耕しています。

馬力と犂で田畑を耕す事を「馬耕」といいます。
 
この写真展は、馬と働く馬方(うまかた)が農作業の合間に記録したもの、
つまり私目線でのドキュメンタリーがコンセプトです。
そしてBlack Horse Farming Saisonの発売記念でもあるのでモノクロ、
なおかつ農園の米作りにまつわる場面にモチーフを絞っています。

馬耕の風景というと、牧歌的でどこか懐かしくそしてエネルギッシュに馬達が働く様子をイメージするかもしれません。
しかし、写真を選ぶ過程で私はある事に気が付きました。
馬耕している時の目線は、ほぼ馬の下半身つまりは馬の尻しか見えていないという事を。
馬方目線は尻目線。

仕事中、彼らが気力に満ちているのか、それともくたびれているのか、表情で確認する事はできません。
しかし不思議と尻の筋肉の緊張具合や呼吸する腹の動きで彼らの気持ちが伝わってくるのです。
馬の下半身は原動力。エンジンのようなものです。ドライバーは常にエンジンに気を配る。働く馬の尻は美しい。

いわゆる馬耕風景は是非いつか農園で直にご覧頂けたらと思っています。

もう一つあらためて気付いたことは人の仕事量の多さ。
馬方は人の働く風景も沢山見ていました。
馬は田んぼを耕すのが専門ですからそれもそのはず。
その後の育苗から田植え、田の草取り、そして収穫に至るまでは自然の力と人間の仕事の領域です。
そして人間は農作業の合間に歌や合奏を楽しんだりもしていました。

「なぜ馬耕なのか」と、よく質問されます。
 
伝統を残したい、技術を継いで行きたい、と思うことはほとんどありません。
この日本で農家として馬耕を軸にやっていくなんて他に聞いた事もないし、試行錯誤苦労の方が多い。
では、どうして馬と働いているのでしょう。

馬の燃料は草と水と太陽と塩。排気ガスもでません。つまり馬力はクリーンエネルギー。
けれど必要な作業には機械も使います。脱穀や藁の粉砕、堆肥の切り返し。

馬糞はやがて堆肥となり、土に還る。循環が生まれる。その辺の雑草だって堆肥の原料と思えばありがたい。
薬剤で雑草を抑えたり、石油製品である化学肥料はどんなに安全と言われても必要としない。
 
手で植える田植えは時間もかかるし大変だけれど気持ちがいい。
田の草取りをした後の綺麗な田んぼを眺める時の達成感満足感たるや、ビールが美味しい。
稲を刈る時のザクザクとした感触。
天日に干す時の何とも言えない稲の香り。
 
馬も人も馬耕に集中しだすと、辺りはとても静かになります。
聞こえてくるのは道具や馬具が軋む音。鳥の声。たまにブルンと鳴らす馬の鼻音。

馬と働く、人も働く。
どこまでも効率やスピードを求めない。求められない。
どこまでも広く沢山耕したい沢山作りたい、とも思わない。思えない。
そのバランスがいい感じのライン、境界線がどの辺りにあるのか。
こうして馬と人が共に働いているこの辺り、なのではないか。
馬耕を続ける事でその事を考え、感じ、忘れないでいられる気がしています。

ちょっと大きな事を言えば、その境界線はどんな所にもあって、
いま世の中にある様々な歪みを良くするヒントにもなるのじゃないかな、という事も思っています。

つまり、私にとって馬耕はとてもいい。
Horse Farming is Good !!

IMG_5188.HEIC

一緒に「はたらく馬」の世界を学びましょう。

先生は2頭の農耕馬、花雪と愛星。
田畑や山仕事に携わる人も、そうでない人も。
馬と暮らす人も、そうでない人も。

「懐かしい未来」へ向かって、

「馬と働く」仲間となりませんか。

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